着付け道具には似た用途のアイテムがいくつか存在します。代表的なものとして「胸紐」や「コーリン和装締め」が挙げられますが、それぞれの特性を理解して使い分けることが着心地の向上につながります。
まず胸紐との違いは、伸縮性の有無です。胸紐は伸縮しないモスリンや正絹の紐で胴回りを一周縛るため、ホールド感は高いものの、胸部を圧迫して食事や長時間の移動で苦しくなりやすい欠点があります。一方、コーリンベルトは背中側だけをゴムで渡す構造のため、胸周りの締め付け感が格段に軽減されます。
よく混同される「コーリン和装締め」は、伊達締めとコーリンベルトが一体化した便利グッズです。胴回りを幅広のベルトで包み込みながら衿元を固定するため、より安定感を求める方やお腹周りの補正を兼ねたい方に適しています。
なお、外出先でベルトを忘れた際にサスペンダーなどで代用を試みるケースが見受けられますが、一般的な洋服用の金属クリップは着物の繊細な生地を傷つけたり破いたりする危険があります。応急処置として代用する場合は、滑り止めの布をクリップと生地の間に挟むなど、細心の注意が必要です。