富士山静岡空港を語る上で欠かせないのが、空港の直下をトンネルで通過している東海道新幹線に新駅を設置する構想の存在です。静岡県側は長年、空港ターミナル直下に新幹線駅を設けることで、東京・名古屋方面からのアクセスを飛躍的に高め、世界でも稀に見る「新幹線直結型空港」を実現させたいという強い要望を掲げてきました。
しかし、運行を担うJR東海側の姿勢は一貫して慎重です。東海道新幹線は日本の大動脈であり、わずか数分間隔で過密運行を行っています。新駅を設置して各駅停車の「こだま」などを停車させる場合、全体の運行ダイヤへの影響や待避設備の建設にかかる数千億円規模の工費、さらにはトンネル内工事の技術的難易度など、クリアすべき課題が山積しています。
リニア中央新幹線の工事を巡る議論とも複雑に絡み合いながら議論が継続していますが、現時点では即座に着工へ向かう段階にはありません。とはいえ、もし実現すれば静岡空港のポテンシャルが一変する起死回生の一手であることは間違いなく、官民の間で現実的な落としどころを探る模索が続いています。