認知心理学の知見に照らし合わせると、道尾秀介のミステリは人間の「確証バイアス(自分の思い込みに合致する情報ばかりを集める心理)」と「スキーマ(過去の経験に基づく固定観念)」を精密に計算して執筆されていることが分かります。読者が無意識に抱く「常識的な前提」を逆手に取るからこそ、真相が開示された瞬間に強い認知的ショックが生じるのです。
【おすすめできる人】
・思い込みを鮮やかに打ち砕かれる快感を味わいたい人
・読み終わった後、すぐにもう一度最初から伏線を確認したくなる人
・紙の本ならではのギミックや、新しい形態の読書体験を試したい人
・人間の脆さやダークな心理描写に抵抗がなく、深い余韻を味わいたい人
【おすすめできない人(注意が必要な人)】
・児童虐待や家庭崩壊など、重く陰惨なテーマに対して強い精神的ストレスを感じる人(※『向日葵の咲かない夏』などは回避を推奨)
・すべての謎が明快かつ論理的に説明される古典的なパズラー(本格推理)のみを求め、心理的・主観的な揺らぎを好まない人
・複雑なプロットや視点の切り替わりを追うのが苦手な人