『もののけ姫』タタラ場の女たちの過去とは?エボシが雇った理由と真実とは一体何なのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。

劇中で描かれるタタラ場の女性たちは、一見すると屈託のない元気な労働者に見えます。しかし、公式設定や絵コンテに記された彼女たちの出自は、人身売買によって遊廓に売られた「元遊女」という非常に重い過去を背負っています。

戦乱や飢饉が打ち続いた中世日本において、貧しい農村の娘たちが人買いに売り渡される事例は日常茶飯事でした。自由を奪われ、過酷な境遇で搾取され続けていた彼女たちに救いの手を差し伸べたのが、他でもないエボシ御前です。

エボシは各地の遊廓を回り、自らの資金で彼女たちを身請け(借金を肩代わりして買い戻すこと)しました。単なる慈善事業として保護するのではなく、自らが築いた独立共同体「タタラ場」へと連れて帰り、一人の対等な人間・労働者として雇用したのです。劇中で彼女たちがエボシ様を神のように慕い、絶対的な忠誠を誓っている背景には、「地獄のような売春の現場から自分たちを人間として救い出してくれた大恩人」という切実な理由が存在します。