モンゴル勢をはじめとする外国出身力士の隆盛の裏には、日本相撲協会が設けた極めて厳格な制度的ルールが存在します。
日本相撲協会は現在、「1部屋につき外国人力士は1人まで」という受け入れ制限を設けています。この規制は1992年の自主規制に始まり、2002年には「1部屋1人」へ厳格化。さらに2010年には「帰化して日本国籍を取得した力士も含めて1人」とする解釈改定が行われました。これにより、1つの部屋に海外出身力士が集中することが防がれており、入門の門戸は極めて狭き門となっています。
また、現役引退後に親方(年寄)として相撲協会に残り、後進の指導や部屋の師匠を務めるためには、「日本国籍の取得(帰化)」が規約上必須条件となっています。かつて大島部屋を継承した元関脇・旭天鵬(大島親方)や、元横綱・白鵬(現親方)、元横綱・鶴竜(音羽山親方)らは、いずれも日本国籍を取得して指導者の道へ進みました。
母国の誇りを胸に抱きつつも、生涯を日本の国技に捧げる決断を下す過程には、言語や法律、文化的アイデンティティの葛藤を乗り越える強い覚悟が求められます。