物語が終盤に向かうにつれ、謎は単なる金銭欲や痴情のもつれにとどまらず、過去の忌まわしい因縁へと収斂していきます。多くの視聴者が固唾をのんで見守った「最終回の真相」と「事件の黒幕・真犯人の正体」には、当時類を見ないほどの残酷な運命が用意されていました。
数々の殺人や失脚、罠を仕掛けた黒幕の正体は、表面的には卓也の野望を操っていた宮本小百合その人でした。しかし、事件の根底にあった真の動機は、単なる金銭欲ではなく、過去に大人たちの身勝手な欲望によって引き裂かれた「出生の呪縛」だったのです。物語の核心で明かされた最大の衝撃は、互いに共謀し、肉体関係を結び、愛憎をぶつけ合ってきた沢村卓也と宮本小百合が、実は生き別れの異母兄妹であったという戦慄の真実でした。
自らが犯した近親相姦という禁断の罪、そして復讐に狂った人生の空しさに直面した小百合は、精神の均衡を完全に崩していきます。一方の卓也は、破滅の淵に立たされて初めて、自らが利用するはずだった美幸への感情が「真実の愛」であったことに気付きます。しかし、もはや時計の針を巻き戻すことはできませんでした。
最終話「愛の果てに」のラストシーン。復讐の連鎖が生んだ凶刃、あるいは逃れられない運命の報いを受ける形で卓也は致命傷を負います。血に染まりながら、美幸の腕の中で息絶えていく卓也。彼が最期に遺した言葉と、冷たくなっていく亡骸を抱きしめて号泣する美幸の姿によって幕を閉じます。すべてを失い、愛した男の死を見届けた美幸の虚無の表情とともにタイトル『もう誰も愛さない』の文字が浮かび上がる演出は、日本のテレビ史に刻まれる伝説的な名エンディングとなりました。