謝罪時に選ばれる菓子折りの最高峰として、昔から不動の地位を誇るのが株式会社とらやの「とらやの羊羹」だ。なぜ危機管理の土壇場で、誰もがこの老舗の羊羹を手に取るのか。そこには明確な心理的・物質的理由が存在する。
第一に、その「ずっしりとした重さ」である。物理的な重量感は、そのまま「事態の重く受け止め」を無意識に象徴する。さらに、日持ちが長いため、謝罪対応に追われる相手方の社内で分け合ってもらう際にも負担をかけない。羊羹の切り口が切腹を連想させるという俗説を気にする声も一部にはあるが、現代のビジネスマナーにおいては、格式の高さと信頼感の代名詞として最も安全かつ確実な銘柄と評価されている。