俳優に専念して以降の櫻井海音の躍進は、業界関係者の予想を遥かに上回るスピードでした。2026年のTBS系日曜劇場『VIVANT』における若き日の重要人物の熱演、同年のWOWOW連続ドラマ『アオハライド』での主演・馬渕洸役など、着実にキャリアの階段を上っていきました。
その実力を世に決定づけたのが、社会現象を巻き起こしたメガヒット漫画『【推しの子】』の実写化プロジェクトです。櫻井海音は、主人公であるアクア役に抜擢されました。伝説のアイドルの息子として生まれ、母の死の真相を追って芸能界の闇に身を投じるという極めて複雑な心理描写が求められるこの役柄は、自身が「エンタメ界の頂点に君臨する父親を持つ」という境遇と奇妙な符合を見せていました。
公開当時、原作ファンからの厳しい視線が注がれるプレッシャーの中、櫻井海音が見せたのは冷徹な復讐心と脆い少年性が同居する圧倒的なリアリティでした。SNSや映画レビューサイトでは「二世であることを完全に忘れさせる怪演」「アクアの背負う業を表現できるのは彼しかいなかった」と絶賛が相次ぎ、批評筋からも高い評価を獲得しました。