原作の熱量を現代に甦らせ、社会現象を巻き起こしたのが、2009年にTBSテレビの看板枠で放送された日曜劇場『官僚たちの夏』である。本作は、硬派な社会派経済ドラマの金字塔として今なお語り継がれている。
風越信吾を演じた佐藤浩市の鬼気迫る熱演は、観る者を圧倒した。脂の乗り切った演技陣――北大路欣也、高橋克実、堺雅人らが演じる官僚や政治家たちが繰り広げる丁々発止の議論は、もはや演技を超えた迫力を放っていた。CGや派手なアクションに頼らず、会議室での対話と視線の交錯だけで張り詰めたサスペンスを生み出す構成力は圧巻の一言。骨太なドラマ制作を誇るTBSの手腕が遺憾なく発揮された傑作である。