65歳を超えてなお、佐藤浩市が放つエネルギーは衰えを知らない。むしろ年齢を重ねるごとに輪郭が際立つその精悍さは、単なるアンチエイジングの産物ではなく、日々の徹底した自己規律と役者としての覚悟に裏打ちされている。
映画の現場において、彼は自らを甘やかすことを決して許さない。かつて役作りのために大幅な減量を敢行した際にも、単に痩せるのではなく、骨格と筋肉の陰影を研ぎ澄ませてカメラの前に立った。日課となっているストイックなトレーニング、そして何より「観客に嘘をつかない」というプロフェッショナルとしての強靭なメンタリティが、全身から溢れ出る若々しさの源泉泉となっている。
年齢を隠すのではなく、刻まれたシワの一つひとつを表現の武器へと昇華させる。その潔い生き様こそが、同世代だけでなく若い世代の表現者や映画ファンをも惹きつけてやまない最大の要因である。