1941年(昭和16年)6月20日、東京に生まれた石坂浩二。2026年の今年、85歳という節目の年齢を迎える。同世代の俳優が第一線を退くことも少なくないなか、彼が放つエネルギーは衰えるどころか、年齢を重ねるごとに深い陰影と説得力を増している。
かつて直面した直腸がんの手術と克服の経験は、彼の人生観と身体への向き合い方に大きな転機をもたらした。無理な節制や過度なトレーニングに走るのではなく、自らの身体のリズムを正確に把握し、日々の食事と規則正しい生活を淡々と慈しむ。その飾らない自然体の姿勢こそが、長年にわたって澄んだ声色と背筋の伸びたプロポーションを支えている。