フランスの磁器歴史を紐解くうえで、18世紀の王室ルネサンスを外すことはできません。ルイ15世の寵愛を受けたマダム・ド・ポンパドゥールの手厚い庇護のもと、王立窯として発展を遂げたのが現在の国立セーヴル陶器製作所です。彼女が愛したとされる鮮やかなピンク色「ローズ・ポンパドゥール」や、深みのある濃青色「ブルード・セーヴル」は、今なお美術的価値の頂点に君臨しています。
王妃マリー・アントワネットもまた、この磁器の虜となった一人でした。彼女がヴェルサイユ宮殿の離宮で催すお茶会のために作らせた繊細な矢車菊模様のティーセットは、のちの欧州磁器デザインに決定的な影響を与えました。一方、豊富な高嶺土(カオリン)の発見によって発展したリモージュ磁器工房群は、王室御用達の高級磁器を一般の上流階級や高級ホテルへと広める役割を果たしました。白磁の圧倒的な透明感と手描きの金の装飾は、まさにフランス洋食器の代名詞といえます。