現在でもテレビ画面の最前線で爆笑をかっさらう明石家さんまだが、20代前半の当時のスナップ写真やレコードジャケットを見返すと、多くの人が息をのむ。スラリとした細身の長身に、彫りの深い目鼻立ち、爽やかな笑顔。パーマをあてた長めのヘアスタイルを着こなし、ギターを抱える姿は、まさに1970年代後半から80年代初頭のフォークシンガーやトップアイドルの風格そのものだ。
当時の劇場やラジオの公開生放送には、出待ちをする女性ファンが何重にも押し寄せ、劇場周辺の交通が麻痺することもしばしばだった。ファンレターは毎日段ボール箱で届き、親衛隊が結成されるほどの熱狂ぶり。お笑い芸人が「モテない男の自虐」を売りにすることが主流だった時代に、ルックスとスマートなトークスキルで女性票を根こそぎ奪い去った存在は極めて異端であり、革命的だった。