1978年、高橋真梨子がソロへと転向すると、ヘンリー広瀬はプレイヤーの枠を飛び越え、専属の音楽プロデューサー兼アレンジャーとして彼女のソロキャリアの屋台骨を支え始めた。ソロ初期の試行錯誤を経て、1984年に放たれた『桃色吐息』は、妖艶かつ気品ある大人のポップスとして列島を席巻。オリコン上位を独占し、彼女の不動の地位を決定づけた。
さらに、多くのリスナーの涙を誘い、今や数多くのアーティストにカバーされる不朽の名バラード『for you...』。ヘンリー広瀬が手掛けたサウンドは、過剰な装飾を削ぎ落とし、ボーカリストの息遣いや言葉のニュアンスを極限まで際立たせるものだった。歌い手の感情の機微を誰よりも理解している彼だからこそ、メロディの奥に潜む物語を完璧に具現化できたのである。