昭和歌謡や演歌の黄金期を築き上げた美空ひばりの不滅の歌唱力や、北島三郎が紡ぎ出す魂の叫びは、時代や国境の枠を軽々と飛び越える。演歌というジャンルが今、単なるノスタルジーを脱して「究極のボーカルミュージック」として再評価されている事実は見逃せない。
スマートフォンのアルゴリズムは、予期せぬ出会いを生み出す。シティポップを聴いていた海外の若者が、関連レコメンドを伝って美空ひばりの圧倒的なジャズアレンジに辿り着き、そこから本格的な演歌の深淵へと足を踏み入れる現象が日常的に起きている。日本古来の情緒を歌い上げた「演歌百選」に並ぶ名曲群は、デジタル化によって永遠の生命を得たのだ。