PL学園を象徴するシステムが、上級生と下級生による徹底した「付き人制度」だ。1年生は特定の先輩に仕え、身の回りの世話からユニフォームの洗濯、夜食の準備まで一切をこなさなければならなかった。私語は厳禁、テレビ視聴も禁止、外部との連絡は遮断。笑顔を見せることすら許されない徹底的な管理空間だった。
名手として中日ドラゴンズで活躍した立浪和義をはじめ、歴代のプロ野球選手たちが後年明かした回顧録やスポーツノンフィクション作品には、当時の凄まじい実態が克明に刻まれている。「甲子園の決勝よりも寮の消灯時間後のほうが何倍も怖かった」という証言は、決して誇張ではない。逃げ場のないプレッシャーが、異常なまでの連帯感と強靭なメンタリティを生み出していたのだ。