交通規制が及ぶのは自動車のハンドルを握るドライバーだけではありません。現場で毎年激しい混乱とトラブルを生んでいるのが歩行者自転車横断制限です。
マラソンコースに指定された道路は、ランナーの走行安全を確保するため完全にバリケードで封鎖されます。競技中、歩行者や自転車はコースを平面で横断することが一切禁止されます。たとえ目の前に目的地が見えていても、数百メートルにわたって続くフェンス沿いを歩かされ、地下街への階段や横断歩道橋を探す羽目に陥ります。
現場警備にあたる警察官やボランティアスタッフの手記や報告によると、「『すぐそこのコンビニに行くだけだから通してほしい』と詰め寄る地域住民と制止する誘導員の間で押し問答が頻発する」という生々しい実態が浮き彫りになっています。特にベビーカーを押す保護者や高齢者、車いす利用者の場合、エレベーターのない歩道橋を渡ることはできず、遠くの地下鉄出入口まで大きく迂回を強いられる事例が後を絶ちません。
自転車に乗ったままコースを横断することは厳格に拒否されます。どうしても移動が必要な場合は、地下鉄駅構内の連絡通路を利用するか、係員の指示に従って指定された立体横断施設を利用するしかありません。移動時間には普段の3倍以上の余裕を見積もっておくのが賢明です。