長年未解決が続く事件には、往々にして根拠のない噂や憶測が付きまとう。ネット上で散見される「外国人犯罪組織関与説」や「家族関係者疑念説」について、捜査関係資料と事実関係を照らし合わせると、明確な誤謬であることがわかる。
第一に、「家族への疑い」は初期捜査の段階で完全にシロと証明されている。夫のアリバイは勤務先や通話記録等で完全に裏付けられており、現場から採取された犯人の血液型(B型)および女性特有のDNA型は、家族の誰とも一切合致しない。
第二に、「通り魔による突発的強盗説」についても矛盾が多い。室内の金品や貴金属にはほとんど手が付けられておらず、物色痕も極めて限定的であった。一方で、犯行の態様は被害者に対する強い攻撃性を示しており、捜査本部は「個人的な面識に基づく怨恨」または「一方的な逆恨み・近隣トラブル」の線を中心に慎重なプロファイリングを進めている。
見落とされがちな盲点として、犯人が着用していたとされる衣類や靴の入手経路がある。韓国製の靴は当時、輸入雑貨店や一部の量販店で安価に販売されていたものであり、犯人が韓国籍であることの直接的証拠ではない。日本国内の一般居住者が日常的に購入可能なものであった点が、プロファイリング上の重要な事実である。