理系の優秀な頭脳を持ち、難関として知られる名古屋大学に入学した大内万里亜被告。その知的な生活の裏で、彼女の精神世界は急速に崩壊へと向かっていた。高校時代からタリウムを用いた知人への毒殺未遂事件を引き起こすなど、その異常行動は徐々にエスカレートしていた。
大学進学後、一人暮らしを始めたことで歯止めが効かなくなった彼女は、宗教の勧誘で訪れた被害者を言葉巧みに部屋へと引き入れ、凶行に及んだ。学問の最高峰が集うキャンパスのすぐ側で、誰にも気づかれることなく育まれていた殺人への狂気。それは教育機関や周囲の人間関係が個人の異常なサインを見逃してしまうリスクを、あらためて浮き彫りにした事件でもあった。