創業当時の名古屋は、濃密な味噌文化や刺激的な辛さを打ち出すご当地グルメが台頭していた時期だった。その中で、あえてあっさりとしながらも奥深い「薬膳スープ」を掲げることは、決して平坦な道のりではなかったという。
「最初は『物足りない』と言われることもありました」と、店を守り続ける店主は振り返る。しかし、顧客の体調や季節の変化に寄り添う仕込みを愚直に繰り返すことで、徐々にリピーターを増やしていった。伝統の味を守るために、使用する小麦粉の品質や水質管理には最新のテクノロジーを導入。変えてはならない「味の根幹」を守るために、見えない部分での進化を重ねてきた歴史がある。