名阪国道の危険地帯は天理側のΩカーブだけではありません。三重県側の亀山ICから伊賀盆地へと抜ける「加太(かぶと)越え」も、数多くの大型車が犠牲になってきた魔の難所です。急な上り下りとタイトなコーナーが入り組むこの場所では、名阪加太越えトレーラー衝突事故が度々報じられています。
国道25号線名阪の大型トラック事故に共通する背景には、昭和40年代の突貫工事で建設されたという歴史的経緯があります。当時の設計基準で作られたため、現在の高規格高速道路に比べてインターチェンジの合流・減速車線が極端に短く、急勾配や急カーブが随所に残されています。
「なぜ名阪国道の魔のカーブで事故がこれほど多いのか」という問いに対し、道路工学の観点からは以下の構造的リスクが挙げられます。
・インターチェンジの合流車線が短く、本線進入時の速度差が大きい
・山間部特有の濃霧や路面凍結など、気象条件が急変しやすい
・追い越し車線から走行車線への無理な割り込みが多発する
特に名阪国道の危険区間における速度超過は、これら構造的な弱点と相まって破滅的な衝突リスクを生み出します。急な車線変更や無理な追い越しをかけた瞬間、トレーラーのトラクター(牽引車)とトレーラー(被牽引車)が「く」の字に折れ曲がるジャックナイフ現象を引き起こし、周囲の一般車を巻き込む大惨事へと拡大します。