コンプライアンスの波が押し寄せる以前の、ある種「最後の熱狂」を記録した日本のテレビドラマとして、本作が遺した功績は計り知れない。何より、主人公・嘉郎を演じた染谷将太の圧倒的な演技力が作品を支えていた。
ヴェネツィア国際映画祭で新人俳優賞を受賞した若き名優が、全裸同然で街を疾走し、鼻の下を伸ばしながらテレパシーに悶絶する。その真剣味があればこそ、荒唐無稽なSFコメディはリアリティの芯を獲得した。彼が本気でバカを演じ切ったからこそ、過激な演出群は単なる悪趣味に堕ちず、奇跡的な青春ドラマの輝きを放ったのである。