モデルとして頂点を極めていた井浦さんに、俳優としての転機が訪れたのは1998年のことでした。是枝裕和監督に見出され、映画『ワンダフルライフ』(1999年公開)の主演に抜擢されて映画デビューを飾ります。
演技経験がゼロだったにもかかわらず、飾らない自然体の存在感が高く評価され、国内外の映画祭で脚光を浴びました。
そして2002年、彼の名を決定づけたのが曽利文彦監督・宮藤官九郎脚本の映画『ピンポン』での「スマイル(月本誠)」役です。窪塚洋介さん演じるペコとの対比となる、感情を表に出さない冷徹な卓球の天才を完璧に演じ切りました。
トレードマークの銀縁メガネと無機質な表情の奥に見せる人間味、劇中で見せたわずかな微笑みは観客の心を鷲掴みにし、俳優・ARATAの名を世に知らしめる代表作となりました。