弥生時代の米作りが変えた日本社会の真実!道具と最新研究を徹底解剖にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

「弥生時代の人々は毎日ふっくらとした白米を腹いっぱい食べていた」というイメージは、現代人の完全な先入観です。近年の土器残存脂質分析やプラント・オパール分析(植物珪酸体分析)によって、当時のリアルな食卓の実態が浮かび上がってきました。

発掘調査に関わる考古学研究者や出土土器の検証データによると、弥生人の主食は米単体ではなく、アワ・キビ・ヒエといった雑穀や、縄文時代以来のドングリ・トチノキなどの堅果類を混ぜ合わせた雑穀粥や蒸し飯が主流でした。米は極めて貴重なエネルギー源であり、干ばつや冷害などの飢饉に備える備蓄品、あるいは神への祈りを捧げる祭祀用としての性格が強かったのです。

また、当時の水田作業は想像を絶する重労働でした。春先の水路整備から泥田での田植え、夏の厳しい草むしり、害鳥獣の追い払い、秋の1本ずつの穂首刈りまで、夜明けから日没まで集落総出の労働が強いられました。弥生人の人骨を調べると、重い土木作業や長時間の屈み仕事による骨の変形(脊椎や関節の摩耗)が確認されており、稲作の導入が生易しい技術革新ではなかったことを物語っています。