スクリーンに映し出される戦闘の恐怖もまた、現実の軍事動向と深く呼応している。新鋭の映画スタジオA24が手がけた劇映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、監督のアレックス・ガーランドが放つ強烈な警鐘だ。国家が内部から崩壊し、星条旗のもとで市民同士が銃口を向け合うという破滅的シナリオは、もはや単なるフィクションの域を完全に踏み越えている。
ガーランド監督は、従来の過剰にドラマチックなハリウッド的演出を徹底的に削ぎ落とした。戦場ジャーナリストのレンズを通して切り取られる殺戮と混乱は、冷酷なまでに淡々と、しかし圧倒的な肉感をもって観客の眼前に迫る。映画産業において独立系スタジオがここまでの規模感で国家解体の恐怖を描き切った例は過去になく、観客に強烈なトラウマと問いを突きつけている。