ここで提供される岩魚やヤマメ、虹鱒は、榛名山の清冽な地下湧水で育てられたものだ。川魚特有の泥臭さは一切なく、澄み切った水の清らかさがそのまま肉質に反映されている。命を無駄にしない姿勢も徹底している。頭から骨、尻尾まで丸ごと食べられるよう、炭火の火加減と焼き時間を魚の大きさごとに細かく微調整する。
「骨を残さず綺麗に召し上がっていただけるのが一番の供養であり、最高の褒め言葉です」。店主の静かな語り口には、自然の恵みに対する深い敬意が滲む。食材を無駄なく使い切る姿勢は、2026年に求められる持続可能なフードシステムの理想形そのものだ。洗練されたエコではなく、昔から山村に根付いていた生きる知恵がそこにはある。