米津玄師が歌った奇跡の空間、大塚国際美術館の現在と聖地巡礼

米津玄師が歌った奇跡の空間、大塚国際美術館の現在と聖地巡礼

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2018年の暮れ、日本放送協会が制作する『第69回NHK紅白歌合戦』の生放送で起きた出来事は、国内のポップス史における決定的な転換点だった。普段はメディアへの露出が極めて少なかった米津玄師が、故郷・徳島からの生中継で披露した代表作『Lemon』。その舞台に選ばれたのが、大塚国際美術館の地下3階に位置するシスティーナ・ホールである。

ホール全体を埋め尽くした無数のキャンドル。火が揺らめくたび、天井や壁面に描かれたミケランジェロ・ブオナローティの傑作群が息づくように浮かび上がった。リハーサルは深夜、館内を完全に閉鎖した厳戒態勢の中で行われたという。冷え切った大空間に漂うロウの匂いと、張り詰めた緊張感。スタッフの手によって一本ずつ手作業で灯された灯火は、ただの照明演出ではなく、楽曲の持つ鎮魂の祈りを可視化させるための装置だった。

池田 達也
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池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。