プライベートでは車への執着が薄い一方で、米津玄師のMV登場車両は作品ごとに極めて鮮烈なインパクトを残しています。彼の映像作品における車は、単なる移動手段ではなく、物語や感情を増幅させる舞台装置として計算し尽くされています。
代表的な例が、TBS系金曜ドラマ『MIU404』の主題歌として書き下ろされた『感電』のMVです。閉園後のとしまえんで撮影されたこの映像では、ネオンや電飾で異彩を放つカスタムカーが登場し、夜の遊園地という非日常的な空間で米津玄師のトリッキーなダンスと見事に融合しました。
さらに、TVアニメ『チェンソーマン』のオープニングテーマ『KICK BACK』のMVでは、疾走する米津玄師が車と激突して吹き飛ぶという衝撃的なアクションシーンが描かれ、SNSを中心に世界的なバズを巻き起こしました。これらはいずれも美術スタッフや映像監督(奥山大史氏や常田大希氏ら)との綿密な連携によって選定・制作された演出用車両であり、本人の愛車ではありませんが、彼のクリエイティビティを語る上で欠かせないアイコニックな存在です。