歩けない。起き上がれない。視界が激しく揺れる。米倉涼子を突如襲った異変の正体は、髄液が硬膜の穴から漏れ出し、脳や脊髄の機能に支障をきたす「脳脊髄液減少症」だった。初期には原因が特定できず、ただひたすらに押し寄せる激痛と倦怠感に耐える日々が続いたという。
ネット上で囁かれる「薬」というワードの真相は、まさにこの病との壮絶な治療プロセスにある。髄液の漏出を止めるための「ブラッドパッチ(硬膜外自家血注入療法)」をはじめ、神経の炎症を抑える投薬治療、さらには激しい痛みをコントロールするための鎮痛薬や輸液点滴など、医師団の厳格な管理のもとで多角的な医療アプローチが行われた。危険な薬物や後ろ暗い噂など微塵も存在せず、そこにあったのは医療の力と本人の強靭な意志による泥臭いまでの回復への努力だった。