GBBBの歴史は、そのままヒューマンビートボックスの音響的進化の歴史そのものです。歴代優勝者たちのプレイスタイルを振り返ると、時代ごとに求められるスキルの変遷が鮮明に浮かび上がります。
初期から2010年代半ばにかけては、フランスのAlemやブルガリアのSkilleRに代表されるような、人間離れした超高速ビートと圧倒的な肺活量による肉体派スタイルが頂点を極めました。その後、アメリカのNaPoMが提唱した「リップロール」をはじめとする特殊な口唇奏法によって、電子サブウーファー顔負けの強烈なインワードベースがシーンの必須スキルとなります。
2010年代後半から現在にかけては、フランスのColapsやRiver'、アメリカのGene Shinozakiらのように、ジャズやソウル、ポップスの文脈を取り入れた極めて高度な音楽理論と構成力が勝敗を分ける時代へ突入しました。ただ音を鳴らすのではなく、「1人の人間が1曲の完成されたアートをどう表現するか」という総合芸術への進化が、現在のGBBBのスタンダードとなっています。