メディアにおける生理の描き方も、ここ数年で劇的な変化を遂げた。かつては隠語で語られたり、爽やかな青い液体を使ったCMで抽象化されたりしていたテーマが、より生々しく、かつ親しみやすい形で社会に提示されるようになった。
その先駆けとなったのが、吉本ばなな原作コミックを実写化した映画『生理ちゃん』である。生理の擬人化というユニークなアプローチを通じて、痛みの個体差や周囲の無理解に対する葛藤を描き出し、男性客からも大きな反響を呼んだ。さらに近年では、YouTube上でインフルエンサーや当事者が生理痛シミュレーターに挑戦する動画が数百万回再生を記録。「痛みを笑い飛ばす企画」にとどまらず、コメント欄では視聴者同士によるオープンな意見交換の場へと成長している。
公共放送の姿勢も変化している。NHKは情報番組や本格的なドキュメンタリー番組において、トランス男性の生理問題や職場改革の最前線を度々取り上げている。これらの番組は放送後にNHKプラスやNetflixなどで配信され、地上波の枠を超えて若い世代や多様なライフスタイルを持つ人々に届いている。エンターテインメントと報道の両輪が機能することで、「生理について語ることは恥ずかしいことではない」という新しい共通認識が社会全体に着実に根付きつつある。