仕込みから数日後、瓶の中に異変を感じた際、それが「発酵」なのか「カビ」なのかを正しく見極め、迅速に対処することが重要です。
【症状1:白い泡がぷくぷく立っている、アルコール臭がする】
これは梅の皮に常在する天然酵母が糖分を分解して炭酸ガスとアルコールを生成する「発酵(アルコール発酵)」です。腐敗ではないため飲用可能ですが、放置するとお酒(梅酒)のような風味になり、酸味や香りが損なわれます。
対処法:すぐに梅の実を取り出し、シロップをホウロウ鍋またはステンレス鍋に移します。中火にかけ、沸騰直前の約80℃〜85℃で弱火にして10〜15分間加熱(加熱殺菌)します。立ち上るアクを丁寧にすくい取り、冷ましてから煮沸消毒した清潔な瓶に戻せば、酵母の活動が完全に停止し、おいしいシロップとして蘇ります。
【症状2:シロップ全体が白く濁っている】
濁りの原因は主に2つあります。1つは微細な酵母の増殖、もう1つは完熟梅の果肉ペーストが溶け出したものです。酸っぱい腐敗臭がしなければ、上記の「加熱殺菌」を行い、ペーパーフィルター(コーヒーフィルターや清潔なガーゼ)で濾過することでクリアな状態に戻せます。
【症状3:表面に膜が張り、綿状の浮遊物がある】
青や黒、あるいは水面に厚い膜を張る綿毛のような白い塊は「カビ」の可能性が高いです。特に異臭や異様な苦味がある場合は、健康被害を防ぐため残念ながら破棄してください。ただし、梅の果皮から出た微細な結晶や、初期の白い酵母膜(産膜酵母)であれば、上層をスプーンで慎重にすくい取った後に加熱殺菌を行うことで救出できるケースもあります。