時の流れは早い。劇作家・演出家の蜷川幸雄が80歳で急逝した2016年から、すでに10年が経過した。しかし、彼が劇場に遺したあの独特の熱気、観客の皮膚を刺すような緊張感は、少しも色褪せていない。むしろ、デジタル化と効率化が極限まで進んだ2026年の現代において、蜷川が求めた「生々しい人間の体温」は、かつてないほど渇望されている。
劇場に足を運べば、今もどこからか、あの鋭い眼光とダミ声が聞こえてきそうだ。彼が育て上げた俳優たちは、今や日本のエンタメ界の屋台骨となっている。その筆頭が、小栗旬であることは誰の目にも明らかだろう。