一歩奥へ進めば、そこは紛れもないドン・キホーテの「魔境」だ。天井近くまで積み上げられた段ボール、手書きのポップ、迷路のような通路。この混沌とした空間設計が、買い物という行為を「宝探し」に変える。
面白いのは、客層のモザイク模様だ。午前中はカートを押すシニア世代が目立つ。彼らは慣れた手つきで日用品や惣菜をカゴに入れていく。しかし夕方以降になると、学校帰りの高校生や、仕事終わりの若いファミリー層が一気に流入する。世代間の断絶が叫ばれる現代において、これほど多様な人々が同じ空間で買い物を楽しむ光景は、地方都市において極めて稀有な現象と言えるだろう。