有精卵の生存率を飛躍的に高めるためには、産卵床から卵を回収した直後の「トリートメント」が欠かせません。プロの養殖場で行われているメダカ産卵床からの卵の取り方詳細まとめを順を追って解説します。
ステップ1:産卵床の引き上げと付着糸(ふちゃくし)の処理
メダカの卵には、水草や産卵床に絡みつくための「付着糸」と呼ばれる粘着性の強い糸が無数に生えています。この付着糸がついたまま卵がブドウの房のように固まっていると、中心部の卵が酸欠を起こしやすく、1つの無精卵に生えた水カビがあっという間に周囲へと感染します。産卵床から指先や柔らかいピンセットで卵を取り外したら、手のひらの上や細目のクリーニングネットの上に乗せ、指の腹で優しくコロコロと転がします。
ステップ2:指の腹による「圧力選別テスト」
前述の通り、有精卵は指で適度な圧力をかけて転がしてもビクともしません。転がす過程で「プチッ」と潰れる卵があれば、それはすでに受精に失敗している無精卵です。この段階で無精卵を意図的に押し潰して取り除き、付着糸をちぎって卵を1粒ずつバラバラ(単粒化)にすることが、孵化率90%超えを達成するための必須ルーティンとなります。
ステップ3:専用の隔離容器への収容
バラバラにした有精卵は、親魚の水槽に戻すのではなく、水深が浅い(3〜5cm程度)清潔なタッパーや浅底プラケースへと移動させます。親魚と同じ水槽に放置すると、数時間以内に親メダカ自身に捕食されてしまうため、採卵当日の完全隔離が鉄則です。