ゴキブリをはじめとする外来種が一掃された現在の西之島は、何もない溶岩の大地から生命がどのように定着していくかを観察できる「原生生態系の奇跡の実験場」となっています。
一度は島を追われた海鳥たちですが、噴火の沈静化に伴い再び島へと帰還を果たしました。現在では、カツオドリ類が新しい溶岩の台地に巣を作り、子育てを行う姿が確認されています。海鳥たちが運んでくる栄養分(糞など)をベースに、風や海流に乗って漂着したカニ類やトビムシ、海鳥の体に付着して運ばれたダニやクモといった微小な在来生物が、独自の食物連鎖を築き始めています。
人工的な影響を一切受けない「一次遷移(生命がゼロから始まるプロセス)」がリアルタイムで進行しており、学術的価値は世界自然遺産の中でもトップクラスの注目を集めています。