昭和の名曲が、なぜデジタルネイティブであるZ世代にまで浸透したのか。その架け橋となったのが、2006年に倖田來未が発表したカバーバージョンでした。
倖田來未は自身の2ndカバーアルバム『ETERNITY〜Love & Songs〜』などでも披露し、原曲のドゥーワップ歌謡を現代的なR&B/ダンスポップへとアップデート。倖田來未特有のエネルギッシュなボーカルとグルーヴィーなアレンジによって、若い世代に「最高にクールなダンスナンバー」として再認識されました。
そして2018年、TikTokの台頭とともに爆発的な化学反応が起きます。倖田來未バージョンの音源をテンポアップ(倍速)させた音源に合わせ、手首や指先を細かく動かすフィンガーダンス動画が突如大流行。「めッ!」の瞬間にウインクやキメ顔をする動画が若年層の間でバイラルを起こし、関連動画の総再生回数は瞬く間に数億回を突破しました。
原曲を知らない若者たちにとって、それは「懐メロ」ではなく「今もっとも盛れる最新のミーム」でした。圧倒的に強いメロディフックと直感的なポーズが、縦型ショート動画という21世紀のフォーマットと奇跡のシンクロを果たしたのです。