レオナルド・ブラーボのレパートリーは多岐にわたるが、核となるのはアストル・ピアソラに代表される現代タンゴと、南米各地に伝わる民俗舞踏のリズムである。
タンゴの演奏において、彼はギターという楽器を時に弦楽器として滑らかに歌わせ、時に打楽器へと変貌させる。ボディを叩く特殊奏法(タンボラやゴルペ)、ブリッジ近くで硬い音を出すキネーラなど、多種多様な音色表現を駆使する。しかし、それらは決して奇をてらった演出ではない。すべては曲が持つ物語性とドラマ性を極限まで引き出すために計算されている。
フォルクローレにおいては、アルゼンチン北部のサンバ(Zamba)やチャカララ(Chacarera)の変拍子を鮮やかにコントロールする。彼の指先から放たれるリズムは、聴き手の体内に直接届くような力強い脈動を伴っている。