日本の物価と経済の歴史において、「60円」という数字は何度か強烈なインパクトをもたらしました。その代表格が、デフレ期真っ只中の2002年に日本マクドナルドが展開した「平日65円・週末60円」のハンバーガーです。
当時、週末になると店頭に長蛇の列ができ、10個単位でまとめ買いする光景が各地で見られました。価格破壊の象徴として消費者を沸かせた一方で、外食産業全体の低価格競争を激化させた歴史的なエピソードとして今も語り継がれています。
また、外国為替市場の歴史においても「60円」は特別な意味を持ちます。1995年4月に1ドル=79円75銭を記録し、2011年10月には戦後最高値となる1ドル=75円32銭を記録した超円高時代、市場関係者の間では「このまま1ドル60円台に突入するのではないか」という議論が真剣に交わされました。近年の円安傾向と対比すると、60円という数字は当時の異常な円高局面とデフレ経済を象徴する歴史的メルクマールといえます。