ボロネーゼの正式名称は「ragù alla bolognese(ボローニャ風煮込み)」。イタリア北部の美食の街、ボローニャが発祥だ。起源は中世にまで遡り、もともとはフランスの煮込み料理「ラグー」がイタリアに伝わったものとされる。伝統を重んじるイタリアでは、レシピがボローニャ商工会議所に正式登録されているほど、そのアイデンティティは強固だ。
一方のミートソースは、アメリカを経由して日本で独自の進化を遂げた洋食だ。第二次世界大戦後、米軍によってもたらされた缶詰のミートソースが日本人の好みに合わせてアレンジされた。トマトケチャップや砂糖、ウスターソースで甘めに味付けされたその味は、昭和の喫茶店や家庭の味として定着し、独自の「ナポリタン」と並ぶ洋食のツートップとなったのである。