ネット上の過激な言説を見ていると、「マタニティフォトを撮影する人は全員が承認欲求の塊で非常識」であるかのような錯覚に陥りがちです。しかし、実際の利用実態とネット上のバッシング言説との間には、無視できない巨大な乖離が存在します。
取材班がスタジオ撮影を手がける現場や一般の母親たちへ聞き取りを行ったところ、撮影者の約8割以上は「SNSへの全体公開など最初から考えておらず、家族のアルバムにのみ大切にしまう目的」でスタジオを訪れていました。ネット上で批判の的となっているのは、InstagramやTikTokなどで数千件のハッシュタグをつけて拡散される、ごく一握りの目立ちたがりな投稿に過ぎません。
また、「夫側もノリノリでペイントをしている」というイメージがありますが、現場のスタッフからは「旦那様は最初はかなり消極的で、妻の強い要望にしぶしぶ付き合っているケースが半数を超える」という証言が多数得られました。ネットで晒されて「夫婦揃って痛い」と叩かれる裏側には、家庭内の力関係や思い出作りの妥協点として現場に立っている夫の当惑が隠されている実態も見逃せません。