マッスルメモリーとは、過去に筋力トレーニングによって発達させた筋肉が、長期間の休養やトレーニングの中断(ディトレーニング)で萎縮してしまった後、トレーニングを再開した際にゼロから鍛え直すよりも遥かに速いスピードで元の筋肉量・筋力へと回復する現象を指します。
初めて筋肉を1kg増やすためには数カ月以上の過酷な負荷と厳格な栄養管理が求められますが、一度そのレベルに達した経験がある身体なら、同じ1kgを取り戻すのにほんの数週間から1カ月程度しかかからないケースが珍しくありません。この圧倒的な回復速度こそが、マッスルメモリーの最大の特徴です。
かつては「神経系がフォームや力の入れ方を覚えているだけ」とする説や「単なる気のせい(プラセボ)」とする懐疑的な見方もありました。しかし、2010年代以降に発表された数々の国際的な学術論文によって、細胞レベル・遺伝子レベルでの確かな科学的根拠が証明されています。