マッスル北村氏が今なお特別な存在として語られる理由は、その圧倒的なバルクだけでなく、求道者のような生き様そのものにあります。
名門・東京大学(理科二類)に合格しながらもボディビルに全てを捧げるために中退し、その後再受験した東京医科歯科大学医学部をも中退。自らの全存在を筋肉の発達に注ぎ込みました。彼の残したエピソードはどれも規格外です。
- 1日に卵を20〜30個、鶏胸肉をミキサーで液状にして飲み干す過酷なタンパク質補給
- 100キロを超えるバーベルを担いでの極限スクワットと、失神寸前までの追い込み
- 東京から山梨県まで自転車を漕ぎ続け、重度の脱水で倒れ救急搬送された修行のようなサイクリング
- 胸筋の筋断裂を起こしながらも笑顔でトレーニングを再開する驚異的な精神力
これほど苛烈な生活を送りながら、普段の北村氏は誰に対しても腰が低く、小さな子供やファンに優しく接する人格者として知られていました。そのあまりに純粋で嘘のない生き方が、彼の肉体改造を「命を削る領域」へと向かわせてしまった一因でもありました。