深い失意を乗り越え、2000年に新たなボーカリストとしてKlahaを迎えた第3期MALICE MIZERは、よりクラシカルで荘厳なダークウェーブの世界へと舵を切る。クラシックの要素を前面に打ち出したサウンドは、初期からのコアなファンを魅了し、表現の精度はさらなる洗練を見せた。
その到達点となったのが、メンバー自らが出演した無声サイレント映画『薔薇の婚礼』である。吸血鬼伝説をモチーフにしたこの映像作品は、彼らが追求してきた総合芸術の極致であり、セリフを排した静寂の中に彼らの美学が凝縮されていた。だが、この芸術的頂点を極めた直後の2001年12月、バンドは「休止」という名の実質的な活動終了を選択。各々の表現者が個別の旅路へと踏み出すこととなった。