海の向こう、アメリカのコミック史において猫の妖艶さを人間に憑依させた第一人者が、バットマンの生みの親として知られるボブ・ケインだ。彼が生み出した『キャットウーマン』は、遺伝子操作によるハーフではないものの、猫の俊敏性と独立独歩の精神を完全に体現したアンチヒロインの決定版となった。ワーナー・ブラザースの手によって幾度も映画化され、現在はHBO Maxなどのプラットフォームを通じて世界中の映画ファンを魅了し続けている。
一方で、西洋カルチャーにおける猫と人間の融合は、時に巨大な論争と視覚的ショックを巻き起こしてきた。その最たる例が、名作ミュージカルをデジタルの力で実写化した映画『キャッツ』だ。人間にリアルな猫の毛並みと尾をCGで融合させたそのヴィジュアルは、「不気味の谷(アンキャニー・バレー)」のど真ん中に着地し、批評家や観客の間で凄まじい賛否両論を巻き起こした。親しみと異様さは紙一重。この映画が残した傷跡と教訓は、VFX業界およびキャラクターデザインの歴史において極めて重い意味を持っている。