ハイスピードカメラを用いた運動力学的解析によると、猫パンチのスピードは想像を絶する領域に達しています。前足を振り下ろす初速は時速20〜30km前後、打撃完了までの所要時間はわずか約0.05秒〜0.1秒(コンマ1秒未満)と計測されており、人間の反射神経(視覚刺激に対して約0.2秒)では回避が極めて困難な速度です。
獲物を捕らえる野生の本能が呼び覚まされた際に見られるのが、左右の前足を交互に高速で繰り出す猫パンチの連打(いわゆるラッシュ)です。これは単に相手を痛めつけるためではなく、動く対象の動きを封じ込め、間合いを測りながら優位に立つための狩猟行動の名残と分析されています。
また、猫パンチが命中した瞬間に響く「パシッ」「ペチッ」という独特の猫パンチの音は、発達した肉球のクッション組織が対象の皮膚や家具に密着・反発することで発生する打撃音です。空振りの際にも「シュッ」と鋭い風切り音が鳴るケースがあり、この音響的インパクト自体が相手を怯ませる威嚇効果を担っています。