親近感を手軽に演出できる便利な言葉である一方、「ニキ」の使用にはコミュニケーション上の落とし穴が潜んでいます。最大の盲点は、文脈によって「リスペクト」と「強烈な皮肉」の真逆の意味に分岐するという二面性です。
前述の通り、「自信ニキ」や「考察ニキ」のように専門知識を称賛する使われ方がある反面、ネット上では「聞いてもいない講釈を垂れる人」を「教えニキ」、「コメント欄を仕切ろうとする厄介なユーザー」を「自治ニキ」と呼び、鬱陶しさを揶揄する言葉としても機能します。相手との信頼関係が構築されていない状態で不用意に使うと、「バカにされている」「煽られている」と受け取られ、トラブルに発展するケースも珍しくありません。
また、ビジネスシーンや目上の人物に対する使用は明確なマナー違反となります。いくら職場の先輩や上司が頼れる存在であっても、「〇〇ニキ」と呼ぶことは敬意の欠如とみなされます。ネットスラングとしてのカジュアルさが強すぎるため、対面での公的な場やオフィシャルな文章では厳に慎むべきです。