あの狂乱から年月が経過した今、デジタル空間を見渡すと、まんだらけが投じた「画像のネット公開」という火種は形を変えて日常化している。SNS上では日常的に迷惑客や万引き犯の動画がアップロードされ、瞬く間に拡散・特定される「ネット私刑」が後を絶たない。
当時まんだらけが突きつけた問題提起は、ある意味で現在のアテンション・エコノミーと私的制裁社会を先取りしていたとも言える。誰でも簡単に映像を発信できるインフラが整ったことで、法的手続きを待たずにネット上で犯人を断罪しようとする衝動は、むしろ事件当時より先鋭化しているのが実情だ。
一方で、店舗セキュリティは劇的な進化を遂げた。顔認証AIカメラの普及や高精度な動線追跡技術により、不審者の検知は自動化されつつある。感情的な写真公開に頼らずとも、警察とシームレスにデジタル証拠を共有するインフラ整備が着実に進められている。