「日本の植物分類学の父」と称される牧野富太郎博士の研究精神を引き継ぐかのように、近年の花卉栽培では品種改良と多様化が進んでいる。一般的に親しまれているピンクや白のセンセーション系に加え、鮮やかな橙色を誇るキバナコスモスが各地で群生し、早秋の丘を明るく彩る。
さらに注目したいのが、シックな深紅色の花弁を持ち、ほのかに甘い香りを放つチョコレートコスモスである。一風変わった色合いと芳香は、花畑全体の色彩空間に深いコントラストと立体感をもたらしている。早咲きから遅咲きまで複数の品種を組み合わせて植栽する園地が増えたことで、シーズンを通して長く観賞を楽しめる工夫が凝らされている。