漫画『私が見た未来』の原点は、1990年代に朝日ソノラマの少女ホラー漫画誌『ほんとにあった怖い話』や『ネムキ』に連載されていたオムニバス作品にあります。著者のたつき諒氏は1970年代半ばのデビュー以降、少女漫画家として活動する傍ら、日常的に自らが見た印象的な夢をノートに記録し続けていました。これがいわゆる「夢日記」です。
1999年に単行本(朝日ソノラマ・コミックス)として刊行された際、表紙に描かれた「大災害は2011年3月」という文字が、12年後の東日本大震災と完全に一致したことで脚光を浴びることになります。たつき氏自身は震災を当てようと意図したわけではなく、1999年3月11日に見た悪夢の記憶をカバーイラストに描き残したに過ぎませんでしたが、その日付の符号が世間に強烈な衝撃を与えました。
たつき諒氏の予知夢と現実の出来事の符合は、3.11だけにとどまりません。公表されている主要な的中事例には以下のものがあります。
- フレディ・マーキュリーの逝去:1976年11月24日に夢を見て、15年後の1991年11月24日にクイーンのボーカルが死去。
- ダイアナ元皇太子妃の事故死:1992年8月31日に「ダイアナ?死んだ?」という夢を見たとメモし、5年後の1997年8月31日にパリで事故死。
- 阪神・淡路大震災:1995年1月2日に「神戸に大ひび割れができる」夢を見て、15日後の1月17日に大震災が発生。
- 尾崎豊の急逝:1982年4月25日に名も知らぬロック歌手が亡くなる夢を見たとされ、10年後の1992年4月25日に急逝。
これらの記録がオカルトファンの間で語り継がれるにつれ、初版の単行本は市場から姿を消し、古書市場やヤフオク等で10万円から最高20万円超のプレミア価格で取引される「幻の奇書」へと変貌を遂げました。